定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和６年３月７日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時３５分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 横畠、宮崎、竹部、櫻井各委員
露木長官、楠次長、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、早川交通局長、迫田警備局長、大橋サイバー警察局長、島﨑技術総括審議官
下田皇宮警察本部長、片倉首席監察官
第３ 議 事
１ 議題事項
（１）犯罪捜査規範及び犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部改正案について
犯罪捜査規範及び犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した。
（２）「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について
刑事局長から、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案」等について説明があり、原案どおり決定した。
（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
２ 報告事項
（１）国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
（２）令和５年度監察の実施状況及び令和６年度監察実施計画について
首席監察官から、令和５年度監察の実施状況及び令和６年度監察実施計画について報告があった。
竹部委員より、「警護に関しては、過去の教訓から学ぶべきことを踏まえてしっかり対応されているが、一般聴衆を巻き込むリスクがあるという認識を引き続き主催者等と共有していただきたい。令和６年度の監察の実施項目は、警察として対処すべき喫緊の課題であり、特に飲酒に起因する非違事案が多く発生していることに留意し、監察を実施していただきたい」旨、宮崎委員より、「監察の結果得られた優良事例については全国に普及させる努力が必要だと思う。警護やサイバーについては、地域によって実施頻度や能力が様々であるため、監察結果の中から導き出されたデータを次の段階に生かしていただきたい」旨、櫻井委員より、「近年のハラスメント対策は、組織のパフォーマンス向上のための基本的な行動指針と理解されるようになっている。各人が当事者意識を持ち、ハラスメントを組織全体の問題としてとらえ、グレーゾーン事例を含め対策を検討していただきたい」旨、横畠委員より、「警護は、抜本的改革の途上にあり、また、サイバーは、警察に対する国民の期待が非常に高い分野であり、監察としてもその役割をしっかり果たしていると思う。来年度の監察実施項目も、警察として基本的な事項であり、適切だと思う」旨の発言があり、首席監察官から、「警護については、現在警備局で行っている取組をしっかりと継続してまいりたい。飲酒関連非違事案については、各職員が自覚を持ち、飲酒に関するルールの徹底等の取組を継続することが、こうした事案の絶無に繋がると考えている。監察によって得られた良好な点については、集約して全国に還元するとともに、警察庁として各種施策に生かしてまいりたい。ハラスメントは業務のパフォーマンスに影響するものであり、組織の全員に当事者意識を持たせる取組が必要と考えており、現状を確認しつつ、各種ハラスメント対策と連携した取組を推進してまいりたい」旨、警備局長から、「警護に係る主催者側との連携については、警護対象者だけでなく一般市民の安全を確保すべく努めている。また、警護実施の頻度は県により様々であることから、大規模な警備実施の際に実戦形式で経験を積んでもらうなどして、警護に対するモチベーションとレベルの平準化を図ってまいりたい」旨の説明があった。
（３）監察の取扱い事案について
首席監察官から、愛知県警察の巡査長による業務上横領等事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨の報告があった。
刑事局長から、ＳＮＳ型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について報告があった。
櫻井委員より、「名称の定義は暫定的なものだが、これを出発点として問題意識を明確にし、体制の構築や対策の推進に繋げることができれば有意義であり、今後の展開に期待したい」旨、横畠委員より、「的確で時宜を得た分析であり、この結果を是非今後の対策に活用していただきたい。ＳＮＳ対策や、金融機関や暗号資産の交換業者との協力関係の構築が重要であり、また、諸外国でも同様の犯罪の被害が発生しているので、国際協力も進めていただきたい」旨、宮崎委員より、「国の投資を推奨する政策の中におけるこの種犯罪の位置付けを踏まえた対応策が必要だと思う。また、事後的に政策の評価を行うこともお願いしたい。様々な分野にまたがるこの種犯罪の対策に取り組むことは、未知の分野を切り開くという点においても非常に期待されている。グローバルで考え、身近なところから行動するといった視点で対策を進めると更なる効果が見込めるのではないか」旨、竹部委員より、「この種の犯罪の被害者となる主たる世代は人生経験豊富で判断力もある世代だが、今後の人生設計への不安を突かれ被害に遭遇しているという側面もあるのではないか。したがって、しっかりと広報を実施して冷静さを促せば、踏みとどまらせる確率が上がるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「ＳＮＳ型投資・ロマンス詐欺の増加には経済的な背景も多分に影響していると感じている。金融庁等の関係機関や外国の捜査機関とも連携して、しっかりと取り組んでまいりたい」旨の説明があった。
（５）令和５年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について
刑事局長から、令和５年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について報告があった。
横畠委員より、「膨大な件数の疑わしい取引の整理及び分析は大変な作業だと思うが、その結果が実際に捜査等に役立っていることが分かる」旨の発言があった。
（６）令和５年における交通事故の発生状況について
交通局長から、令和５年における交通事故の発生状況について報告があった。
横畠委員より、「特定小型原動機付自転車や、それに類似した原付の交通事故の発生状況により、今後の規制の在り方等に関する議論も必要となるので、その前提となる事故の態様等を含めた詳細な情報収集と分析を行っていただきたい」旨、櫻井委員より、「月別死者・重傷者数及び月別自動車走行キロの推移を参考指標として取り上げているが、バランスのとれた政策を進めていくためには、このように大きくとらえた統計の中で問題点を指摘していくことが肝要である」旨、竹部委員より、「団塊世代の最後の年の方が今年７５歳を迎えることとなるので、自動車の構造面も含め、高齢者の事故防止には引き続き注意が必要である」旨、宮崎委員より、「全人口に占める高齢者の割合は今後増え続けるので、テーマによっては６５歳、７０歳、７５歳という年齢層に応じた細かい分析が必要となるのではないか。現実に即した政策に反映できるようデータを活用していただきたい。また、今後、自転車の反則行為に青切符が適用されることによって、交通秩序がどの程度改善されるかというデータも分析していただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「特定小型原動機付自転車関連の交通事故については、現状を確実に把握するためにも、しっかりと分析してまいりたい。また、高齢者の交通事故防止という政策に生かすためにも、分析の趣旨が明確なものとなるよう留意し、年齢層の区分の在り方を検討してまいりたい。自転車の反則行為についての青切符の適用については、取締りの在り方や安全教育等しっかりと検討して施行の準備を進めてまいりたい」旨の説明があった。
３ その他
（１）皇宮警察本部における各種施策等の実施状況について
皇宮警察本部長から、皇宮警察本部における各種施策等の実施状況について報告があった。