定例委員会の開催状況
第1 日 時 令和6年3月28日(木)
午前10時00分 〜 午前11時35分
場 所 国家公安委員会室
第2 出席者 横畠、宮崎、竹部、野村、櫻井各委員
露木長官、楠次長、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、早川交通局長、迫田警備局長、大橋サイバー警察局長、島ア技術総括審議官
猪原組織犯罪対策部長
飯利政策立案総括審議官、江口審議官(犯罪被害者等施策担当)
第3 議 事
1 議題事項
官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
(2)令和6年度国家公安委員会及び警察庁における政策評価実施計画(案)について
政策立案総括審議官から、令和6年度国家公安委員会及び警察庁における政策評価実施計画(案)について説明があり、原案どおり決定した。
宮崎委員より、「政策評価については、昨年から当庁独自の工夫を盛り込んだ新たな形で実施することとなり、PDCAサイクルが明確になって高く評価している。これに満足することなく、より良い形を目指していただきたい」旨、横畠委員より、「匿名・流動型犯罪グループのような従前の縦割り組織では対応しきれない問題については、警察が部門横断的に連携して対応しているところ、国民の安心感にも繋がるので、こうした連携の在りようについても評価の対象とすることを検討していただきたい」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「部門を横断した対応を要するものについては、核となる局部を決めて、他の局部が連携協力することで、政策評価に空白が生じることのないよう努めてまいりたい」旨の説明があった。
(3)人事案件について
組織犯罪対策部長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
組織犯罪対策部長から、関東関根組の指定の確認について説明があり、原案どおり決定した。
(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
(2)警戒の空白を生じさせないための組織運営について
官房長から、警戒の空白を生じさせないための組織運営について報告があった。
竹部委員より、「人的リソースの再配分が迅速に進められていることを高く評価したい。これから重要なのは、警戒の空白を生じさせないという最終的な目標を達成するために一定のマイルストーンを定めた上で都度総括していくことであり、そのプロセスを警察白書等で広報していくことをお願いしたい」旨、宮崎委員より、「人的リソースの再配分が具体的に実現していることを実感しているが、地域部門から相当数の人員を捻出しているので、業務が手薄になってしまうのではないかという懸念もある。また、人数のみでなく質が担保されているのか、最近は専務よりも地域での勤務を希望する者も多い中、業務に対するモチベーションを維持することができるかなど課題も残っているのではないか」旨の発言があり、官房長から、「地域部門は母数が多いため、減少数が目立っているが、手薄になることのないよう業務の合理化を図っている。治安上特段の支障が生じるとは考えていないが、現場の状況は継続して確認してまいりたい」旨の説明があった。
横畠委員より、「警戒の空白を生じさせない組織運営は、部門横断的な話で重要であり、PDCAサイクルに乗せていくべき話であって、また、対外的にもアピールすべき事項でもあると思うので、政策評価のプロセスに乗せられないか検討いただきたい。また、空き交番については、リモートで本署の担当者が直ちに対応できるような補強を行い、国民の安心感に影を落とすことのないよう努めていただきたい」旨、櫻井委員より、「人的リソースの再配分の状況からは改革の方向性が明確に見て取れる。こうした取組はしっかり進めないと定着しないので、3年程度は集中期間のような形をとり、意識して人員を積み上げていく必要がある」旨、野村委員より、「民間企業と異なり、不採算事業から撤退することができないという大きな制約がある中で大胆な人的リソースのシフトが行われている点を高く評価したい。政策課題の解決に向け、継続して取り組んでいただきたい」旨の発言があり、長官から、「地域の安心のための拠点となる交番や駐在所には、運用方法等において様々な工夫の余地があるので、必要な業務に必要な人員を充てる観点から、地域警察部門における望ましい体制を追求してまいりたい。また、警戒の空白を生じさせないための組織運営についての取組を更に強化するため、来年度以降も業務の合理化、効率化に努めてまいりたい」旨の説明があった。
(3)国家公務員総合職の中途採用の実施結果について
官房長から、国家公務員総合職の中途採用の実施結果について報告があった。
櫻井委員より、「様々な人材がいることが組織の強靱性につながっていく。特に、技術系の人材は重要なので、重点的に採用するよう検討していただきたい」旨、竹部委員より、「これまで国家公務員試験合格者を採用してきた中で、これからは民間を経由して入ってくる人材を受け入れる許容力が試されることとなる。採用市場は、警察庁が行う中途採用へのコミットを注視すると思うので、今後とも継続していただきたい」旨、宮崎委員より、「社会人を経験した人材は、より広い視野を有しているなど心強いところがある。既に都道府県警察では中途採用の人材が活躍しているので、今後は新卒だけでなく、中途採用の方々にも門戸を広げていただきたい」旨、横畠委員より、「民間の状況も知った上で、あえて公務員を目指すという貴重な人材であり、今後も志の高い人材を採用していただきたい。他方、公務員から民間へという流れもあるので、採用したことに満足するのではなく、大事に育成していただきたい」旨の発言があり、長官から、「多くの有望な人材に応募していただいたものと認識しており、中途採用の拡大も検討しつつ、取組を継続してまいりたい。また、早期離職を防ぐため、働きやすい環境の整備に努めてまいりたい」旨の説明があった。
(4)令和5年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について
生活安全局長から、令和5年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について報告があった。
横畠委員より、「裁判所においてDV防止法に基づく保護命令を出すなどしているが、件数は低調であり、この種の事案については、主として警察が受け皿となっていると理解してよいか。初期の対応が非常に難しいので、都道府県警察をしっかりと指導していただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「大半のケースは警察が相談を受理し、裁判所による保護命令に係る申立ての指導や事件検挙など幅広に対応している。また、各都道府県警察は、女性相談支援センター等とも連携して対応している」旨の説明があった。
(5)令和6年春の全国交通安全運動の実施について
交通局長から、令和6年春の全国交通安全運動の実施について報告があった。
横畠委員より、「次回以降、特定小型原動機付自転車の登録数を踏まえた分析をしていただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「御指摘を踏まえ、データの収集に努めてまいりたい」旨の説明があった。
3 その他
(1)同性パートナーに係る犯罪被害者等給付金不支給裁定取消訴訟に関する最高裁判決について
審議官(犯罪被害者等施策担当)から、同性パートナーに係る犯罪被害者等給付金不支給裁定取消訴訟に関する最高裁判決について報告があった。
横畠委員より、「「事実上婚姻関係と同様の事情」との文言が用いられている法律は多岐にわたるので、政府全体として横断的な検討が必要ではないか。犯給法に基づく場合は、過去の事案を含め同性間の関係においても給付金を支給していくのか」旨の発言があり、官房長から、「同じ文言を用いている多くの法律に対する今般の判決の影響については、政府としても判決内容をよく精査する必要があると認識している。犯給法に基づく申請は、過去に発生した事案を含め同性であることのみを理由として不支給裁定とせず、「事実上の婚姻関係と同様の事情にあった者」に当たるか否かは、個々の事情を勘案して判断することとなる」旨の説明があった。
櫻井委員より、「今後の対応として、同性パートナーが「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に当たるか否かの当てはめの具体的基準を検討するに際しては、外部有識者の意見を聞くなどして、法の運用基準を設けておくことが重要である」旨の発言があった。