定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和6年4月11日(木)

午前10時00分 〜 午前11時05分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 松村委員長、横畠、宮崎、竹部、野村、櫻井各委員

露木長官、楠次長、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、早川交通局長、迫田警備局長、大橋サイバー警察局長、堀内技術総括審議官

 

第3  議 事

1 議題事項

(1)犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の審査請求事案の裁決について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

   

2 報告事項

(1)国会の状況について

   官房長から、国会の状況について報告があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

   北海道警察の巡査らによる麻薬特例法違反事案に関し、同警察は、同巡査らを免職処分とする予定である旨の報告があった。

   

(3)令和5年における生活経済事犯の検挙状況等について

   生活安全局長から、令和5年における生活経済事犯の検挙状況等について報告があった。

   横畠委員より、「統計上、利殖勧誘事犯とSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺は重複する部分があるのか。生活安全部門が検挙した場合は利殖勧誘事犯、刑事部門が検挙した場合はSNS型投資詐欺等として計上するという理解でよいか」旨、野村委員より、「利殖勧誘事犯は、この報告書に示された検挙件数で見える数字だけでなく、実態はもっと多いと思われる一方で、法規制が追いつかず、関係省庁等による対策が後手にまわっている感が否めない。危機意識を持ち、体制面を含めて踏み込んだ検討をお願いしたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「利殖勧誘事犯とSNS型投資詐欺は重複する部分があると思うが、利殖勧誘事犯については、SNSを用いて接触を図り、対面での投資を勧誘する事案が多い。刑事部門と生活安全部門のどちらが捜査するかは、個々の事件の概要等を勘案して決定している」旨、刑事局長から、「この種の事案が部門の隙間に落ちてしまうことがないよう、警戒の空白を生じさせない組織運営に留意しているところである。捜査第二課が取り扱う詐欺事案と生活経済事犯は重複する部分が多く、どちらが主として対応すべきか判然としない場合には、双方が緊密に連携して対応しているところである」旨、長官から、「昨年中の統計上は、SNSで完結しているSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺はほとんどが刑事部門で計上されており、今回御説明した生活安全部門で計上しているものは、SNSで完結しているものではなく、いずれかの段階で対面の接触がある事案を検挙したものである。こうした区別の適否については検討してまいりたい」旨の説明があった。

   宮崎委員より、「著作権に関しては、財産権侵害事犯のみならず、最近では著作者人格権が問題となる事案もあり、こうした質的な変化についても留意していただきたい。また、著作財産権についても、海外のサーバが利用されたり、生成AIの問題など、地球規模での侵害が広がっていくと思うが、警察庁としてどのように考えているか」旨の発言があり、生活安全局長から、「インターネットを利用した著作権侵害事犯については、国内外の関係機関等と連携し、しっかりと対応していかなければならないと考えている」旨、刑事局長から、「ネット上における誹謗中傷問題は、刑事部門としても重要視している。海外サーバにある証拠の確保など困難な問題があるが、警察としては情報を収集し、迅速に立ち上がって捜査に取り組んでいくことが重要だと考えている」旨の発言があった。

   櫻井委員より、「生活安全部門の事案は多種多様で、社会的な影響が大きい事案が少なくない。また、刑事部門が取り扱う事案や手続とは趣が異なり、必ずしも検挙が最終的な解決策となるものでもないので、生活安全部門に求められる役割や、何を最終目標とするかを明確に意識し、検挙以外の警察に求められている任務にも資するよう取締りや報告の在り方を検討していただきたい。その際には検挙の定義についても付言いただきたい」旨、横畠委員より、「国民の理解促進や、注意喚起といった効果をねらった検挙は、時として失敗することもあるので、決して前のめりになることなく、法と証拠に基づいて適切に対応していただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「生活安全事案については、社会問題化するものも多く、個別事案の検挙が制度改正につながる場合もある。御指摘を踏まえ、警察活動の実績を周知するとともに社会に警鐘を鳴らすことができるような統計の在り方について検討してまいりたい」旨の説明があった。

   竹部委員より、「生活経済事犯は、生活に密接に関連しているが、その実態を正確に把握することは困難だと思う。この種の事犯による被害を減少させるためには、広く気付きの機会を国民に持ってもらう必要があり、この報告はその第一歩であるが、工夫の余地があると思うので、引き続き検討していただきたい」旨、委員長より、「警察庁の発表は、国民に対する安心を提供するとともに犯罪の抑止力となる必要があるので、各委員の御指摘を踏まえ、引き続き検討いただきたい」旨の発言があった。

    

(4)「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」の施行状況に関する国会への報告について

   警備局長から、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」の施行状況に関する国会への報告について報告があった。

   

3 その他

(1)警護の見直しを受けた警護措置等について

警備局長から、警護の見直しを受けた警護措置等について報告があった。

横畠委員より、「警護の在り方については、抜本的な改革が進行中であると理解している。特に聴衆の安全確保については、第一次的な責任が主催者側にあることの自覚を求める働きかけを更に継続していただきたい」旨、竹部委員より、「要警護者のいない現場においても警戒の空白が生じないよう留意されたい」旨、櫻井委員より、「政党や主催者という相手のある話なので、来たるべき警護に備え、平素から、より踏み込んだ働きかけを行うなどして警護措置の重要性に関する理解を得ておく必要がある」旨、宮崎委員より、「過去の教訓を踏まえ、警護の理念を現場で着実に実行していることを評価したい。他方、警護措置がマニュアル化して、必要性の説明が省略されてしまうと、主催者等の納得を得られないことが懸念されるので、警護の必要性を丁寧に説明するなどして丹念に進めていただきたい」旨の発言があった。