定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和6年7月11日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 松村委員長、横畠、宮崎、竹部、野村、櫻井各委員

露木長官、楠次長、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、渡邊刑事局長、早川交通局長、迫田警備局長、大橋サイバー警察局長、堀内技術総括審議官

片倉首席監察官

 

第3  議 事

1 議題事項

(1)「火薬類の運搬に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について

   生活安全局長から、「火薬類の運搬に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

   

2 報告事項

(1)監察の取扱い事案について

   奈良県警察職員による詐欺等事案に関し、同県警察は、同職員を免職処分とする予定である旨、警視庁の巡査による不同意性交等事案に関し、同庁は、同巡査を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(2)クローズド環境下での生成AI利用環境の構築・検証について

   技術総括審議官から、クローズド環境下での生成AI利用環境の構築・検証について報告があった。

   横畠委員より、「そのAIには何を学習させるのか。何ができるようになるのか。公安委員会の議事要旨の原案作成ができるとよいと思う」旨の発言があり、技術総括審議官から、「現時点では、法令や通達等を学習の対象とするほか、検索用のデータベースを構築することを想定している。定期的に開催するワークショップを通じた検討や、委員の御指摘も踏まえて取組を進めてまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「取組の結果を早期に現場に還元することが大切なので、まずは単純なテーマを数箇選定して取組を進め、順次テーマを改定していくのが良いと思う」旨、宮崎委員より、「AIを使いこなす上での原則といったものを明確にして運用していただきたい」旨の発言があり、技術総括審議官から、「最終的なアウトプットは職員が判断した上で活用するなど、適切に運用してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」に基づく再発防止処分請求に関する警察庁長官の意見陳述について

   警備局長から、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」に基づく再発防止処分請求に関する警察庁長官の意見陳述について報告があった。

   

(4)不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反事件被疑者の逮捕について

サイバー警察局長から、警察庁関東管区警察局サイバー特別捜査部と警視庁等の合同捜査本部による不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反事件被疑者の逮捕について報告があった。

野村委員より、「スマートフォンが財布代わりになってきている中、各キャリアが金融機関の口座管理と同等の管理をすることが大きな焦点になると思う」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「各キャリアに対し、総務省と共に端末契約時の身分確認を徹底するよう申し入れており、関係者間で問題意識を共有して対応してまいりたい」旨の説明があった。

宮崎委員より、「サイバー関連の技術や知見はもちろんだが、サイバー特別捜査部を視察した際、現場の捜査員としての経験が豊かな人材の育成が求められていると感じた」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「現場での捜査感覚と、サイバー世界の情報の分析能力を兼ね備えた人材の育成に取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

横畠委員より、「どうやって指示役までたどり着いたのか」旨、竹部委員より、「本事案の犯罪収益の回収について伺いたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「指示役については、各種情報を積み重ねて分析した結果浮上したものであり、また、犯罪収益の回収に資するため、口座凍結などの必要な措置を引き続き進めてまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「時系列や都道府県警察とサイバー特別捜査部が果たした役割などを整理・分析し、今後の捜査のガイドラインとしていただきたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「本件を成功事例の一つとし、反省点も踏まえた分析を行い、その結果を踏まえて全体の能力を高めてまいりたい」旨の説明があった。

 

3 その他

(1)鹿児島県警察に対する特別監察について

   首席監察官から、鹿児島県警察に対する特別監察について報告があった。

横畠委員より、「鹿児島県警察に限らず、本部長が中堅以下の職員の意見を直接聞き、組織運営に役立てるという取組を実践していただきたい」旨、櫻井委員より、「外部の意見も聞きながら組織運営していくような取組が求められる」旨、野村委員より、「非違事案防止策について、真面目に仕事をしている職員の士気を下げることのないよう配慮をお願いしたい」旨、竹部委員より、「本部長の赴任後のフォローとして、定期的に長官等が面接するような取組が必要である」旨、宮崎委員より、「警察職員の倫理観を高めるような取組をしていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)警察共済組合職員による個人情報の漏えいについて

   官房長から、警察共済組合職員による個人情報の漏えいについて報告があった。

横畠委員より、「情報漏えいを依頼した者についても、しっかりと捜査を尽くしてもらいたい」旨の発言があり、刑事局長から、「依頼者についても確認を進め、刑罰法令に触れるものがあれば、立件してまいりたい」旨の説明があった。

櫻井委員より、「再発防止策は厳しい内容にみえるが、事務負担については問題ないのか」旨、竹部委員より、「被漏えい者から警察に対して苦情等は寄せられていないのか」旨の発言があり、官房長から「事務負担について特段の問題はないと考えている。また、警察共済組合が、被漏えい者にお詫び状を送るなどの対応をしており、警察への苦情は確認されていない」旨の説明があった。