定例委員会の開催状況
第1 日 時 令和6年10月3日(木)
午前10時20分 〜 午前11時30分
場 所 国家公安委員会室
第2 出席者 坂井委員長、横畠、宮崎、竹部、野村、櫻井各委員
露木長官、太刀川官房長、檜垣生活安全局長、谷刑事局長、早川交通局長、迫田警備局長、大橋サイバー警察局長、堀内技術総括審議官
第3 議 事
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
(2)社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う犯罪収益移転防止法施行規則の一部改正案について
社債、株式等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う犯罪収益移転防止法施行規則の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した。
(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
(2)天皇皇后両陛下の佐賀県行幸啓(第78回国民スポーツ大会御臨場等)に伴う警衛について
警備局長から、10月5日から6日までの間、第78回国民スポーツ大会御臨場等のため、天皇皇后両陛下が佐賀県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛を実施する旨の報告があった。
(3)石破内閣総理大臣のラオス人民民主共和国訪問に伴う警護について
警備局長から、石破内閣総理大臣は、10月9日から10月12日までの間、ASEAN首脳会議出席等のため、ラオス人民民主共和国を訪問予定であり、所要の警護を実施する旨の報告があった。
3 その他
(1)再審事件の地裁判決について
刑事局長から、再審事件(いわゆる「袴田事件」)の地裁判決について報告があった。
横畠委員より、「控訴は検察の判断となるが、証拠の「ねつ造」を裏付ける具体的な証拠はあるのか」旨、櫻井委員より、「判決を今の価値観で受け止め、反省することが必要である」旨、野村委員より、「国民の批判は長期の身柄拘束や取調べ手法などに向いている。判決を機に、今後、警察の捜査はどうあるべきか前向きな議論につなげて欲しい」旨、宮崎委員より、「50年以上前の事件で科学技術も捜査手法も格段の差があるとは思うが、必要な検証をしていただき、適正捜査の確保に取り組まれたい」旨、竹部委員より「過去の事件とせず、現代の警察として真摯に受け止めるべきである」旨の発言があり、刑事局長から、「仮に検察が控訴を断念した際の対外的な発信については慎重に検討し、また、適正捜査について、現代の捜査の実情の中でアップデートしながら指導してまいりたい」旨、長官から、「捜査段階から公判、更には再審での証拠開示を見据えた対応が求められるので、再審の在り方に関する議論等を踏まえつつ、警察庁としても適切に対応してまいりたい」旨の説明があった。
(2)一連の強盗事件等に係るSNS対策について
宮崎委員より、「連続発生している強盗事件の実行犯はSNSで募集され、この種の犯罪で利用されるテレグラムのCEOがフランスで逮捕されるなどしているが、こうした世界的な動きを把握しているのか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「様々なチャンネルを利用して情報収集等を行っている」旨の説明があった。
横畠委員より、「犯罪を助長し、その実行を容易にする情報と知りながら拡散し続ける事業者の行為には、現行法でも共犯として捉えることができるものがあるのではないか」旨、櫻井委員より、「プラットフォーマーの規制には、有効な行政権限が発動できる法整備が必要ではないか。一連の強盗事件では、匿名・流動型犯罪グループのビジネスモデルが拡散している可能性がある」旨の発言があり、刑事局長から、「一般論として、通信事業者に対する規制は事業者を管理監督する行政部門が中心となって検討することとなる。また、一連の強盗事件については、強力に捜査を推進して全容解明に努めている」旨の説明があった。
委員長より、「警察が適切に権限を行使できる環境を整えていただきたい」旨の発言があり、長官から、「御指摘を踏まえ、関係省庁と連携しながら施策を進めてまいりたい」旨の説明があった。