警察刷新会議第9回会議議事要旨

1.日時

平成12年6月23日 14時5分ころから16時15分ころまで

2.場所

グランドアーク半蔵門 3階 光

3.出席者

氏家座長、樋口座長代理、大森委員、大宅委員、中坊委員
岩男国家公安委員会委員、田中警察庁長官、佐藤警察庁次長

4.議事要旨

(1)事務連絡

ア 事務局から、5月22日から6月21日までの間に警察刷新会議ホームページに寄せられ、各委員に配付しているご意見・ご要望を整理した資料の説明が行われた。

イ 事務局から、新潟公聴会の結果報告が行われた。関連して、新潟公聴会で意見発表者から配付された県警の食糧費・旅費に関する部分開示文書について事務局から説明が行われ、公聴会で指摘された二重帳簿問題とともに議論された。

意見

  • A 部分開示された文書は、墨塗りが多いというのが率直な意見で、ここまで消さなくてもいいのではと思った。
  • B 刷新会議では、情報公開のガイドラインを作るときに、旅費、会議費という項目を設けて原則を書いた。情報公開という精神に基づいて、警察が自らの道を具体的に選んでいくことを期待している。
  • C 警察庁は、情報公開に前向きに対処することとし、具体的に基準を出し、地方を指導していくというのが刷新会議の結論であるので、この点を厳重にお願いする。
  • B 二重帳簿ということ自体がおかしなことで、本来犯罪行為だから、あってはならない。仮にそういうことがあれば、情報公開を進める中で明らかになっていくという筋合いのものではないかと思っている。
  • C 金の問題が明確にならないと、組織自身が乱れる。ほかの問題の開示にもまして、厳格にやっていただきたい。

(2)人事・教育制度の改革

 前回の議論を踏まえて座長から示された人事・教育制度の改革案について議論された結果、次の項目をとりまとめるに至り(人事・教育制度の改革について)、今後提言に盛り込んでいく方向で意見の一致をみた。

  • いわゆるキャリア制度
  • 第一線における各級幹部の能力と資質
  • 職務への取組姿勢、倫理観
  • 新たな治安上の課題への対応

意見

  • A 他の官庁でも、キャリアの全員昇進というのが大問題になった。適性を踏まえた「選別」があった方がよいのではないか。
  • C 「選別」は現在の社会の基本的な要件のようになっている。
  • D みんなが喜ぶ評価制度というものはない。選別して落とされることを自然に受け入れられるようになればよいのだが。
  • B キャリア組の捜査、分けても被疑者の取調べの経験が非常に少ないのではないか。現場体験を持つということが刑事警察を充実させる前提ではないか。
  • E 現場経験の期間の延長ということ自体は望ましいことと考えるが、同じ1種採用者で、他の省庁との関係において相対的に待遇が落ち、人材確保することが難しくなることのないようにすべき。
     霞ヶ関は早朝まで全部の部屋の電気がついていることもあり、決して金のために働いているわけではない。制度とか待遇を考える立場の人は、そこを考えてやるべき。
  • B 志を高く持とうと思えば思うほど、いわゆる物質的なものに対する欲を少なくする必要がある。また、犯罪と闘争する人は犯罪と同じ不潔な領域に入り込まざるを得ず、そういう意味での誘惑が他の職業よりも非常に多いだけに、相当金銭に対する感覚が問われる。警察の幹部となるべき者は、金銭があまり念頭にない状態であってほしい。
  • D 現職警察官から、上司に文句なんか言えないという意見が来ているが、キャリアの評価を公平に行うためにも、下からの評価が言えるようにすることが必要。
  • A 現在2か所のノンキャリアの本部長を、全国47都道府県のうち2割くらいとしてはどうか。
  • D ノンキャリアの本部長は、無理して数だけ増やすと変なことになる。

(3)時代の要請に応じた警察活動と基盤整備の在り方

警察を取り巻く治安情勢の変化について、特に、サイバー空間における犯罪の予防と鎮圧、国際組織犯罪対策、交番等の現状と問題点について、事務局から概略次のような説明が行われた後、議論が行われ、来週までにとりまとめることとされた。

なお、樋口座長代理から、重要インフラ対策委員会の訪米調査団団長として5月下旬にサイバーセキュリティ対策等について米国の関係者と意見交換を行ってきた状況について説明が行われた。

説明

ア 治安自称の量的変化

最近10年間の治安指標の推移によれば、刑法犯認知件数(11年2,165,626件)は29%、110番受理件数(同年7,216,210件)は 68%、交通事故件数(同年850,363件)は29%も増加しており、警察活動の第一線である交番等の負担も著しく高まっている。

さらに、完全週休二日制導入に伴う減員効果や捜査における証拠収集や書類作成負担の過重化が警察官の負担を更に重いものとしている。

なお、我が国の警察官1人当たりの負担人口は、全国平均で556人であるが、これは、欧米先進諸国の警察官の負担人口が概ね300~400人であることと比較すると、著しく高いものになっている。

イ 新たな治安事象の出現
  • ハイテク犯罪の検挙件数は、統計を取り始めた平成5年と比べて昨年(357件)は約11倍に急増している。匿名性、無痕跡性、地域的・時間的無制約性といったネットワークの特性を悪用したハイテク犯罪やサイバーテロなどの新たな治安上の脅威から社会を守っていく必要性が著しく高まっている。
    国際協力のほか、官民の協力、法制度の見直し、プライバシーの保護、人材の確保等が課題となっている。
  • 来日外国人犯罪の検挙(刑法犯、特別法犯)は34,398件、13,436人で、過去10年でそれぞれ6.0倍、2.9倍に急増している。また、来日外国人犯罪の地方への拡散、不法滞在者の組織化・グループ化、外国に本拠を置く犯罪組織の我が国への進出、来日外国人犯罪者と我が国暴力団の連携など、質的にも大きく変化しており、治安上の重大課題となっている。
  • 平成11年には、ストーカー事案の相談件数(8,021件)が統計を取り始めた平成9年と比べて31%増加したほか、児童虐待事案の相談件数(924件)も統計を取り始めた平成6年と比べて約8倍に増加しており、こうした従来の制度や枠組みでは対応できない分野において、国民の身近な安全を確保するという新たな役割が警察に求められるようになっている。また、国民の身近な安全に関する相談は、統計を取り始めた平成3年と比べて昨年(343,663件)は 16%増加した上、その内容も多様化、複雑化し、警察がこれらに鋭敏かつ真しに対応することが強く要請されるようになっている。
ウ 交番等の現状と問題点
  • 地域警察の体制
    交番が主に都市部に約6,600箇所設置、駐在所が主に郡部に約8,100箇所設置され、パトカー約3,000台、通信指令室等警察本部の体制を含め約8万4,000人の体制となっている。
  • 問題点
    急増する110番等への対応に追われ、例えば、パトロールや巡回連絡等を十分に行えない、空き交番が生ずるなど、あらゆる警察活動の原点たる交番の対応力が低下している。
    平成12年3月に空き交番の現状について調査したところ、全国の交替制交番における1箇所、1日当たりの平均空き交番時間は約8.7時間であり、問題となっているが、世論調査ではパトロールの強化の要望が最も多い。

意見

  • A サイバー空間における犯罪については、結論としては完全に予防する方法はない。アメリカが最も進んでいるので、アメリカと協力していくことが必要である。
  • C サイバー空間の犯罪は、国際的な連携を緊密にし、法制度も、属地・属人主義ではだめだということに重点を置いて国民的な認識を喚起することが重要ではないか。
  • D 国際犯罪対策に関しては、通訳が足りないという話をさんざん聞く。
  • B 来日外国人の問題は、取締りという警察だけの問題ではない。犯罪の側面だけではなく、我が国全体として総合的に考えなければいけない。
  • A 中国やフィリピンの警察と捜査官の交換ができないか。
  • E 地域の安全性維持を強化するために、空き交番を少なくする、あるいは110番のリスポンス性を高める、あるいはパトロールを強化する、このような対応策が考えられるが、その3つのどこに重点を置くべきかを考える必要がある。
  • A 町の交番を駐在化するわけにはいかないだろうか。
  • B 刷新会議としては、何もかも警察に依存して要求ばかり重ねていくのではなく、地域の安全などそれなりにみんなが努力すべきだという提案が必要だと思う。不祥事を起こした警察だけが悪いのではなくて、自分たちの警察であって、自分たちの問題だということを、刷新会議としては発信しないといけない。
  • C 人事の配置とか合理化を進めた上で、それでも足りない部分は増員を考える。警察官1人当たりの負担人口を500人に近づけるようにすべき。
  • E 地域住民の生活の安全確保という観点からは、空き交番問題も真剣な対応を求めるべきマターである。

5.次回以降の会議予定

次回は7月5日14時から。
提言の取りまとめについて。

速報版のため、事後修正の可能性があります。

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